1)聖書の記述

現存するすべての生き物の先祖が、箱船に乗りました。

「彼らといっしょにあらゆる種類の獣、あらゆる種類の家畜、あらゆる種類の地をはうもの、あらゆる種類の鳥、翼のあるすべてのものがみな、入った。こうして、いのちの息のあるすべての肉なるものが、二匹ずつ箱舟の中のノアのところに入った。入ったものは、すべての肉なるものの雄と雌であって、神がノアに命じられたとおりであった。」(創世記7章14~16節)

地上の動物、空を飛ぶ動物はすべて、雌雄1匹ずつ箱船に導き入れられたことが、繰り返し書かれています(6:19, 20, 22, 7:2, 3, 7:8, 9)。そして、箱船に入らなかった動物はすべて死に絶え(7:21,22)、箱船に入った動物はすべて洪水から救われて、洪水後ノアたちと共に地上に降り立って、今の生き物の先祖となったことが聖書に書かれています。

「こうして、主は地上のすべての生き物を、人をはじめ、動物、はうもの、空の鳥に至るまで消し去った。それらは、地から消し去られた。ただノアと、彼といっしょに箱舟にいたものたちだけが残った。」(創世記7章23節)

「すべての獣、すべてのはうもの、すべての鳥、すべて地の上を動くものは、おのおのその種類にしたがって、箱舟から出て来た。」(創世記8章19節)

2)箱船の大きさ・箱船に入った動物たち

ノアの洪水はただのおとぎ話だ、そんなことが起こったはずがないという偏見が、いつかどこかで吹き込まれたために、人々の目は暗くなっています。ですから、箱船の大きさ、動物たちの大きさ、種類、数などを実際に検証しないで、動物たちが全部あの途轍もなく大きな恐竜ばかりであったような錯覚に支配されて、箱船に入るはずがないと決めてかかって、とんでもない漫画を描きます。

箱船はおよそ、長さ137メートル、幅23メートル、高さ13.7メートルの非常に巨大な箱で、その容量は標準的貨物列車の車両522台分に当たります。大小様々な動物の平均的大きさは、大きく見積もっても羊の大きさで、羊を檻に入れて収容すると、車両1台当たり240匹、船全体では125,000匹を乗せることが出来ます。動物の種類は約1万6千種類と概算されており、箱船の約四分の一の場所を当てれば、それら動物のつがいを入れることが出来たことが分かります。後は、食糧や飲料水などを積み込んでも、洪水を凌ぐ船としては一応充分な空間的余裕があったと考えられます。

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3)洪水の後に生きていた証拠・聖書の記述

noah_3_3ちなみに、あの最も大きな竜脚類という恐竜も、詳細な考察は後に記述しますが、もちろん箱船に入りました。そして、洪水の後、この竜脚類が地上に棲息していた記録は、まず聖書にあります。また、聖書以外の書物、壁画にも恐竜の記録が遺されています。

「さあ、河馬を見よ。これはあなたと並べてわたしが造ったもの、牛のように草を食らう。見よ。その力は腰にあり、その強さは腹の筋にある。尾は杉の木のように垂れ、ももの筋はからみ合っている。骨は青銅の管、肋骨は鉄の棒のようだ。」(ヨブ記40章15~18節)

聖書の中に恐竜を見つけ出せない大きな理由は、「河馬」という誤訳のためでしょう。「牛のように草を食べ」「尾は杉の木のように垂れ」「ももの筋はからみ合って」「骨は青銅の管」「肋骨は鉄の棒のよう」な河馬がどこにいるでしょうか?この動物の描写は、間違いもなくイラストに示している竜脚類と言われる恐竜です。

文語訳、口語訳、リビングバイブルはいずれも「河馬」と翻訳されていますが、新共同訳では、ベヘモットと翻訳せずに仮名書きになっています。この翻訳が誤訳であることが認められるようになった現在、発行されたばかりの創造主訳では、「恐竜」となっています。英語訳KJV, NKJVは”the behemoth”, TEVは “the monster Behemoth”ですが、NIVでは”the behemoth”と書いた後に、「恐らく河馬か象であろう」と付け足しています。

 

***** 附記 *****

1)箱船の大きさ・内部の様子

noah_3_4箱船に全動物の種類2匹ずつ、食糧・飲料水を積み込んでも、当座の洪水を凌ぐためには一応充分な空間が確保できたであろうことを書きました。そのことを、もう少し詳細に見てみましょう。

箱船の大きさ、内部の様子を聖書から判断して描いてみました。高さは13.7メートル、幅23メートルで、3階建て、1階に入口が一つ*、上に開くことの出来る明かり取り窓が付いています。どこが居住空間で、どこが食糧や水の貯蔵空間であったかは分かりませんが、積み込まれた容量を考えて、容量相当分を仮に当ててみました。そして、居住空間にそれぞれの大きさに合わせてイラストの人と、動物たちを描いてみました。但し兎のような小さな動物はサイズ相当では分からなくなることを配慮しています。成獣であれば数メートルになるキリンであっても何とか入ったことでしょう。

noah_3_5恐竜が小さく描かれていることに疑問を持つ方がおられることでしょう。発掘されている化石からは、30メートル近<い恐竜が生きていただろうことは間違いありません。しかし、その大きさにまでなった恐竜がこの箱船に導き入れられたと考える必要はありません。恐竜はは虫類の一種と考えられており、は虫類の特徴の一つは生きた年数が長くなればなるほど、どんどん大きくなります。洪水が起こされた時、生まれたばかりの恐竜もおれば数百歳の恐竜もいたでしょう。主が成獣を導き入れられたとしても、そこまで大きくなった恐竜を入れられたと考えることはないでしょう。適切な大きさの恐竜をお選びになったと考えるべきです。これはどの動物に関しても同じことが言えるでしょう。主は洪水後に繁殖させるために最適な動物たちを導き入れられたことでしょう。箱船の容量について、表にまとめます。

*余談ではありますが、聖書を注意深く読む方々から「入口は3つあったのではないのですか?」と時々質問を受けるので、入口は間違いなく1つであったことを再確認しておきます。問題の発端は新改訳聖書の翻訳です。

「箱舟の戸口をその側面に設け、一階と二階と三階にそれを作りなさい。」(創世記6章16節)

この文章はどのように読んでも、一階に戸口1つ、二階に戸口1つ、三階に戸口1つと、合計3つ戸口を付けたとしか読めません。しかし、他の翻訳は、例えば新共同訳では、「箱舟の側面には戸口を造りなさい。また、一階と二階と三階を造りなさい。」とあり、戸口が3つあるかのような翻訳にはなっていません。また、英語訳はいずれも戸口が単数で書かれており、誤解の余地はありません。ついでに、この扉はキリストによる救いの唯一の扉を模していることもあり、この誤訳はまずいと思います。

 

2)動物の種類

私たちが持っている生物の種類に関する概念は、進化論に基づいて整備された分類学の知識です。最初に動物が創造された時に聖書に書かれている「種類」は、「生めよ、増えよ」と祝福された種類です。

現在、例えば身近にいる犬を見てみましょう。犬は様々な品種が作られて、公認の品種は130種とも、150種とも、あるいはそれ以上かも知れない数多くの品種が存在しています。トラに遜色ないほどの大きな犬もいれば、手のひらに乗りそうな犬も、大きさだけでも千差万別です。そして、姿形も、犬と言われるから犬なのだろうと思うほど実に様々な異なったイヌがいます。しかし、実は動物の種類としては紛れもない「イヌ」なのです。そして、実は、多分ですが、オオカミやコヨーテなども、元々はイヌと同じ種類の動物であったと考えられます。

そういうことで、創造された時点、そしてノアの洪水の時の時点での動物の種類は、今私たちが考える「種」とは異なっています。そういうことで、洪水の時の船に入った動物の種類は約1万6千種類くらいだっただろうと考えられています。

3)箱船に入った動物はそれぞれ2匹ずつか?

聖書の箇所によって、雌雄2匹ずつと書かれていたり、7つがいずつと書かれていたりする箇所があるために、混乱する人がいますので、調べてみましょう。

「またすべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二匹ずつ箱舟に連れて入り、あなたといっしょに生き残るようにしなさい。それらは、雄と雌でなければならない。」(創世記6章19節)

「あなたは、すべてのきよい動物の中から雄と雌、七つがいずつ、きよくない動物の中から雄と雌、一つがいずつ、また空の鳥の中からも雄と雌、七つがいずつを取りなさい。」(創世記7章2, 3節)

この2カ所の記述を比べれば明らかなように、きよくない殆どの動物は一つがいずつですが、きよい動物に関しては七つがいずつという区別がされているのです。きよい、きよくないの定義は、聖書の後の箇所で詳細に述べられていますが、ここでは書かれていません。但し、ノアたちはこれで解っていたのだと思われます。
きよい動物は何故余分に7つがいだったのか? 洪水の後の記事を読めば明白です。船から出て礼拝する時に全焼のいけにえとして捧げるための用意だったのです。

「ノアは、【主】のために祭壇を築き、すべてのきよい家畜と、すべてのきよい鳥のうちから幾つかを選び取って、祭壇の上で全焼のいけにえをささげた。」(創世記8章20節)